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整形外科

現在広島大学整形外科教室より派遣された5名の整形外科医で診療に当たっております。
 外傷や整形外科疾患全般に対応した診療を行っていますが、安佐地区で唯一の「日本手の外科学会認定研修病院」であり、特に手・肘など上肢疾患やリウマチに関してはより専門性の高い診断・治療を提供でき、指切断の再接合や失われた組織の再建など顕微鏡を用いた高度な微小外科手術も可能です。さらに足に関しても専門性の高い治療が可能で高齢化社会に対応して大腿骨近位部骨折も患者さんや家族のニーズを考慮して手術を行っています。
 新病院となり手術室も充実し、2020年度の整形外科手術件数は997件であり中規模病院としてはかなり多くの手術をこなしております。今後も患者さんを第一に考えた優しい安全な医療を心掛けていきます。

特長

  • 安佐地区で唯一の「日本手の外科学会認定研修病院」
  • 上肢疾患やリウマチ、足に関してもより専門性の高い診断・治療を提供
  • 顕微鏡を用いた高度な微小外科手術も可能

手・肘の疾患

当院は安佐地区で唯一の日本手外科学会認定研修施設であり、手や肘の疾患に対して実績に基づいた専門的な治療を行っており、顕微鏡を用いた切断指の再接合や失われた手の機能再建など高度な技術を要す手術や、手関節鏡・肘関節鏡を用いた鏡視下手術も積極的に行っています。その一部を以下に簡単に示します。

橈骨遠位端骨折(関節内骨折)に対し手関節鏡を用いたプレート固定

術前CT

関節鏡で整復位を確認しプレート固定施行

TFCC損傷に対する関節鏡下TFCC縫合術

尺側縁断裂に滑膜炎を合併

鏡視下滑膜切除+TFCC縫合

難治性上腕骨外側上顆炎(テニス肘)に対する肘関節鏡視下手術

肘関節鏡にて滑膜ヒダ障害を確認

鏡視下に滑膜ヒダ、短橈側手根伸筋切除

変形性肘関節症に対する関節鏡下関節形成術(遊離体摘出・骨棘切除)

31歳男性(疼痛、運動制限あり)

遊離体(関節鼠)摘出/骨棘(鉤状突起部)切除

変形性指関節症(ブシャール結節)に対する人工指関節置換術

症例1

術前(環指に強い屈曲制限あり)

術後(屈曲は良好に改善し疼痛も消失)

症例2

術前(複数指の変形を認める)

術後(整容的・機能的な改善を獲得)

野球肘(離断性骨軟骨炎)に対する骨釘移植術

分離期の離断性骨軟骨炎に対し骨釘移植施行

術後1年(離断部は良好に癒合)

リウマチ肘に対する人工関節置換術

術前:肘関節の高度な破壊を認める

術後:肘は安定し疼痛は著明に改善

上腕骨遠位端骨折後の偽関節(75歳女性)に対する人工肘関節置換術

術前:強い疼痛と肘運動制限あり

術後3年:疼痛は消失し肘機能も良好に回復

屈筋腱断裂(zoneⅡ)に対する早期運動療法

23歳男性(自動屈曲不能): 強固な腱縫合と早期運動療法施行

術後3ヵ月(良好な屈曲)

皮弁による軟部組織再建

電動鋸で受傷(41歳男性)

逆行性背側中手動脈皮弁で再建

術後4週

切断指の再接合術(マイクロサージャリー)

電動ドリルによる環指切断(69歳男性)に対し再接合術施行

術後(良好に生着)

外傷による母指欠損に対する足趾からの母指再建術(wrap around flap)

母指欠損(22歳男性)に対し左母趾の部分移植により再建

術直後

足の疾患

 当科においては、足・足関節疾患に対しても専門性をもって診療にあたっています。 骨折などの外傷の治療に加え、外反母趾や足底腱膜炎などの慢性疾患に対しても、症状に合わせて装具療法や手術療法を、単独もしくは組み合わせて治療しています。 骨折の治療はもちろんのこと、アキレス腱断裂に対しても強固な縫合を行うことにより、筋力低下や拘縮を予防するように早期リハビリを行っています。 当院においては早期より超音波ガイド下での膝窩神経ブロックによる麻酔での手術を取り入れています。この麻酔方法により術後の疼痛の軽減を容易に図ることができるようになったばかりではなく、従来では入院での麻酔管理が必要であった手術も、日帰り手術で対応できるものも増やしています。

骨折に対しては、強固なプレート固定などをして早期からの荷重歩行を目指します

アキレス腱断裂に対しては、強固に縫合し、装具装着下に早期リハビリを行います

変形性股関節症について

 加齢に伴って、関節内の軟骨が磨り減ったり、傷ついたりした結果、関節全体が徐々に破壊され、また関節周囲に異常な骨が新しく形成されて、歩行時や股関節の曲げ伸ばしの時などに痛みを生じる疾患です。特に原因がなく生じる一次性股関節症も存在しますが、日本人では臼蓋形成不全(股関節の受け皿が浅い状態)を背景に生じる二次性股関節症の割合が多いのが特徴です。
保存療法(減量や運動療法、鎮痛剤の使用等)で日常生活を送れる場合もありますが、軟骨が著しくすり減って関節全体に変形が及んでいる場合は、多くの場合人工股関節置換術が必要となります。
昔ながらの手術方法では、股関節の後方にある筋肉・関節包(関節周囲を包む袋)を切開し、人工関節を挿入していましたが、手術が比較的容易な反面、人工関節が後ろに脱臼しやすいという欠点があり、また患者様を横向きにした状態で手術を行うため、計画通りに人工関節を設置することがやや難しいという欠点がありました。そこで近年では、患者様を仰向けにした状態で関節を前から展開して人工関節を挿入する方法(仰臥位前外側アプローチ)が広まってきています.股関節後方の組織を傷つけないため、脱臼する危険性が従来の方法と比べて著しく低く、また仰向けで行う手術のため、人工関節が厳密に計画通りに設置しやすい利点があります。尚、患者様の体形や股関節の変形の程度、節周囲の手術歴等により、前方からの手術が行えないケースもありますが、その場合は切開する後方の組織を最小限にし、 かつ切開した組織を術後しっかりと修復することにより、脱臼率を低下させるように努めています。

変形性股関節症

人工股関節置換術

医師紹介

市川 誠

市川 誠

イチカワ マコト

役職副院長・部長
出身大学広島大学
卒業年度1986年
主な取得資格・所属学会医学博士、日本手の外科学会専門医・指導医、整形外科専門医、日本整形外科学会認定リウマチ医、日本整形外科学会運動器リハビリテーション医、中部日本整形外科災害外科学会評議員、身障者福祉法指定医、日本整形外科学会、日本手外科学会、日本肘関節学会
田中 玄之

田中 玄之

タナカ ハルユキ

役職部長
出身大学広島大学
卒業年度1990年
主な取得資格・所属学会 医学博士、整形外科専門医、日本整形外科学会
森 雅典

森 雅典

モリ マサノリ

役職医長
出身大学広島大学
卒業年度1995年
主な取得資格・所属学会 整形外科専門医
日本整形外科学会
濵西 道雄

濵西 道雄

ハマニシ ミチオ

役職医長
出身大学広島大学
卒業年度2003年
主な取得資格・所属学会 整形外科専門医、医学博士、日本整形外科学会、日本股関節学会、日本人工関節学会

古田 太輔

フルタ タイスケ

役職非常勤医師
出身大学近畿大学
卒業年度2006年
主な取得資格・所属学会 整形外科専門医